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写真とテキスト

170427

さらば

夢よ、さらば

岸の向こう側に送る、弱々しい、手旗信号ではあるが

それでも、私は、ひとときでも、この中に居た

とうとき、または、にくき、偉大な教授

何よりも意思が強い、それを鳥に与えたい

覚えていないだけの小さな、小さな、無意味のはじまり

地面(ちめん)の肌理を数える

空(くう)を、つかみ、すてる

忘れたし、もう、覚えてない

存在として闇に向かう、後ろ姿だけで、それはそれは

とてもよく私に似ているそれは

埃と、埃の、すき間に、現れたりなんかする

これからもきっと、そうでしょう?

背が高い、あるいは、死が近い

それだけのことなのだからとさわやかな姿は

未知よ、さらば

さらば

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真実が事実なら 事実が真実と 言えるだろうか

 

 

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機械の見る夢は 小さな動きが少しずつ 人と違っていた

 

 

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最小限 与えられる 最大の値を 求めよ

 

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あなたが大きくなる頃には あなたの意思が 簡単にあなたを越える

 

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光だけが小さくなるのだ

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闇の中で無理をするお米

わあああああ、と暴れている

光の中で背筋を伸ばすピーマン

ぐぐううっと、自分の青臭さも知らずに

時の中で腐敗を横取りするオレンジ

がるるっっと、まわりながら

紙の中に居すぎて移動先を知らないチョーク

ごとごと揺れる車が、誰の運転かもよく見えない

昨日まで一緒に居たきれいな星

ぱらっと、2つに割れた

想像を絶するほどそれが

カロリーメイトみたいだったりもする

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向こうに行くまでに少しは大人になれるかな

先端で泳ぐイルカのようになれるかな

素足の暮らしに慣れることができるかな

昨日の夜見た夢は調子の狂うものだったな

聴診器の冷たさだけはよく覚えているな

あの未来人の言葉は本当だったのかな

 

送信ボタンを押す指ににじむ汗

 

私の選んだ道は

いつまで僕を歩かせることを

許すかな

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「うちの店に飾るような下手な絵を、誰にも無断でこっそりと描いてくれないか?」

「信じられないようだけど、私は誰かに無断で絵を描くことなんてできない」

「店の猫に見せたいだけなんだ、猫じゃなくてもいい、花瓶に花を挿すとき、目障りになるような絵を」

「私は昨日、花を描くことはやめようと決めたの。花と、それに類いする、花のようなきらめき」

「うちの店はカレー屋じゃないし、そもそも食べ物なんて僕は作ったことがない」

「石ならあげるわ、とても硬い、だけど、私にとってはちょうどいい、驢馬のような」

「月を見たんだ、まったくぶさいくな、あまりにも正直な、いつも人の目を気にして、そのくせ自分が何色かも知らない」

「私が最後に描いた絵も月だった。15年前」

「月ばかり見ていれば良かったんだ、テレビなんか見ないで、塀を飛び越えて、アンテナ越しに」

「今はやわらかい布を探すことで頭がいっぱいなの。あなた知らない?この世界で一番やわらかい」

「椅子を持ってくればよかった、最近腰の調子がよくなくて」

「鳥の声がするわ。あれは驢馬かしら」

「僕は店をたたもうと思うんだ、最近すっかり宇宙人しか来なくなった」

「安いお店が増えたものね、やすいお店は行きやすいし入りやすい」

「途中まで読みかけてる本があるんだけど、どうもページが抜けている気がするんだ」

「誰にも無断で抜け出していくことなんてしないわ」